やっぱり課税強化!どうする税金対策!!
2007年5月23日

非営利法人総合研究所(NPO総研)
主席研究員 福島 達也

 

やっぱり課税強化!どうする税金対策!!

どうやら、私の本で予想したとおり、政府は、課税対象の収益事業を拡大することを決めたようだ。
現在、財団・社団法人など公益法人は、収益事業のみが課税対象になっているのだが、その対象は、物品販売、金銭貸し付けなど33事業に限っており、スポーツクラブや英会話スクールなどは対象外になっている。
それは、技芸教授業が限定列挙になっていて、その限定も「洋裁・和裁・編物・手芸・料理・理容・・・・・」などと、課税する収益事業の範囲は1984年度以来一回も見直しをおこなっていないため、「パソコン指導」「外国語教室」等ここ数年で始まったものは想定外だったためであろう。
しかし、民間の外国語スクールやパソコンスクールはちゃんと税金を納めているのに、公益法人やNPO法人だけ例外とは、なかなか理解できないという声が多かった。
さらに、公益法人の収益事業の多様化が進み、税優遇がない一般企業が競争上不利になる例も出ているのだ。そこで、どうやらこうした活動もどんどん課税対象にしていこうということになったようだ。

さらに追い討ちをかけるように、2008年度税制改正で、その課税対象を広けるだけでなく、税率も現在の軽減税率(22%)から営利法人(30%)並への引き上げられるようだ。こうなると、会社と同じであんまり税制のメリットがないのではないかと思う公益法人もあるだろう。
ただ、NPO法人は税率については現在も会社と同じであり、税率に関しては影響がないので、課税対象を広げる部分にだけ影響が出ることになる。
政府は、2008年12月をめどに公益法人制度を刷新し、所轄官庁による許可制を廃止し、第三者機関の公益認定等委員会が法人を審査して、公益社団法人と公益財団法人を認定する仕組みにする。
政府税調は、この改革にあわせて課税も見直す方針のようで、新制度では、公益性の認定を受けた法人は引き続き収益事業以外は非課税になるが、認定されなければ、収益性のない会費収入を除き、収入は課税となってしまう。
こうした一連の改革は、寄付金などの優遇税制はこれまでどおり続ける一方で、収益事業は課税を強化し、競合する一般企業との格差をなくすことが目的のようだ。

公益性の認定を受けない業界団体などの一般財団法人や一般社団法人については、理解できるが、公益認定を受けた法人まで課税強化となってしまうのは残念でならない。




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